09-05 著者:admin
兵庫警固は瀬戸内への外国艦船の侵攻にそなえ、大坂から兵庫までの海岸線を警備する任務をおびているが、その部隊を京大坂に伏せて天朝を護(まも)るという策である。
時山はがくぜんとした。まかりまちがえば幕府と一戦をまじえることになりかねない策を、藩主がみとめたうえで実行にのりだしているとしたら、藩のその強い姿勢はいったいなにゆえなのか。
「このこと、他言はまかりならぬ。ひと言でももらすなら、投獄のうえ打ち首となることを覚悟せよ」