09-05 著者:admin
成功企業のトップをゲストに招き、トークで経営の本質に迫る経済番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京系、木曜午後11時6分)が、5日で放送900回を迎える。リーマン・ショックやコロナ禍など激変する経済環境の中、平成18年から番組は続いてきた。「日本の経済を良くしたい」という鈴木亨知(ゆきちか)チーフプロデューサーは、「成功した経営者の話から、何かヒントをつかんでほしいという思いでやってきた。多くの人に見てもらえてきてうれしい」とかみしめる。
「一時のノウハウではなく、成功という現象の裏側を、取材VTRやスタジオのトークで引き出す」という、放送開始当初からのスタイルを貫く。取材スタッフを少人数のチームに分け、相手企業に対するリサーチにはじっくり3カ月程度かける。番組制作を通して信頼関係が生まれ、「自分たちはこういうことを求められている会社なんだという気づきが相手方にも出てくる」という。取材を深めることで、企業側の目線が視聴者側の目線と重なり、「結果的に納得感、視聴者が見たいものにつながっている」。
取り上げる企業は外資系にも及ぶ。特に米IT大手Amazonのジェフ・ベゾスCEO(現会長)や、米娯楽大手ディズニーのボブ・アイガーCEOに「日本のメディアとして、まとまった時間のインタビューができたのは、この番組ならでは」と自負する。
「目先のことでなく、(第一線の経営者が持つ)奥深い、長期的な指針を伝えられたと感じたときが喜び」と鈴木氏は話す。
900回記念スペシャルでは、「ニッポンの小売りの未来…大逆襲が始まった!」として、5日に百貨店大手の三越伊勢丹ホールディングスの細谷敏幸社長、12日に衣料品販売大手のしまむらの鈴木誠社長をゲストに迎える。(三宅令)